オックスフォード通信(334/31)ゼロのゼロはゼロ

グリニッジ天文台(Greenwich observatory)に行ってきました

世界標準時の基準となっている場所として小学校の頃に習ってから一度その場所を訪れてみたいと思っていた願いが叶いました。天気もイギリスに来てから最高と行っていいくらいの快晴かつ小春日和で、テムズクリッパー(mbna thamnes clippers)というボートに乗っていても(ロンドンアイからグリニッジまで約50分のテムズ河の船旅です。といっても途中から猛烈なスピードで飛ばすのでモーターボートに乗っているような感じです)に乗っているときも、グリニッジの船着き場から天文台までの散歩道もとても気持ちのいいものでした。

頂上まで約10分くらい。天文台は小高丘の上にあります。この丘からはロンドン市内を一望することができます。願わくはタワーブリッジなどがみえるといいのですが、ロンドン東部のビル群やコンサート会場のO2など。でも絶景には間違いありません。

そして、東経西経を分ける世界標準時の線。もっと長いものかと思っていたのですが、案外短いもの。列を(queue)を作るなと注意書きに書いてあるのですがどうしても一番前で写真を取りたいもの。後を見るとかなりのキューができています。線上に乗るか、東西に足をまたぐか、いずれにしてもこの小さな天文台が世界の基準時を作っているのだと思うと感慨深いものがあります。ここでもイギリスは自分達の基準を世界の基準としているのです。

日本標準時の明石天文台との違いは標準時の時計がないこと。係員に聞いてみたのですが、あるとしたら入り口にある24時間時計くらいのものらしいです。そこには、1 yard, I feet, 1 inchの基準の長さが鉄で提示してありました。これはイギリスの基準の長さというものなのでしょう。

どこからどこまでが西で東かという基準も時間をどこをゼロとするかも、はじめに作ったからそうなったわけで、別の基準があっても言い訳です。自分自身も含めてその基準となった場所を見に行こうとするわけですから不思議なものです。グリニッジでなくてもロシアでもインドでも中国でも良かったわけでそこには合理的な理由は全くありません。逆に、任意にある場所を決めたということはすごいことだと思います。またそれを信用させる仕組みも。

大正解と大不正解はコインの裏表なのだな、ということが、いい天気に照らされながら、頭の中を巡っていました。

(2019.2.24)

 

★今回の教訓: 基準になった場所を見に行くのは大事なことだ。そこには何もないことが分かるから。

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