オックスフォード通信(41)i-Seminar 第4回目: 授業のつかみの重要性

イギリスは Bank Holiday でお休み。 そのような祝日なのかとおもいきや祝日は全部 Bank Holiday と言うそうです。何と言葉の経済的な使い方なんでしょう。

さて、若ゼミインターネットバージョン4回目。

日本はゴールデンウイーク明けの最初の授業。いいセッションができました。本日のトピックは少し難しい移民の英語能力の問題です。移民(留学)すれば英語の環境にあって自動的に英語能力が伸びると思いがちですがそう簡単な問題でもないということを議論しました。

論文はかなり難しいものでしたがNさん、Mさんがテキパキとポイントを突きながらプレゼンテーションをすすめてくれます。

若ゼミは発足当初よりバイリンガルでゼミを行っており、完全に日本語ということは一度もありませんでしたが、17期生から本格的に英語化をすすめ、基本的にはプレゼンテーション、ディスカッション、卒論発表会は英語で行っています。若ゼミ18は更に一歩すすめ3回生から100%英語で進めています。グループでのディスカッションも自然と英語でできているのがいいところです。

さて、インターネットでそれをすすめると・・・。こちらの問題ですが顔が見えないと理解力がグンと落ちるようです。というよりも話をしている人の顔が見えないと「聞こうという気」が下がるようですね。一方、話す際のコツは分かりました。

MさんとAさん達の尽力で新コンピュータのセットアップが完了し、無線で(Apple TV)プロジェクタにつながります。MCのRさん達が話をしている人の方にMacを向けてくれるので私はその人と(コンピュータ上ですが)アイコンタクトをしながら話をするようにしています。するとどうでしょう、普段のコミュニケーションと同様に気持ちよく話ができることが分かりました。TV中継もきっとこうしているのでしょうか。

また今日の収穫は、Pages(Wordのマック版)をインターネットで共有してそれを黒板のように表示することができたこと。これはすごい。時間差はありますが、iPad上でApple Pencilで書いたもの(Oxford)をそのままMac上のPagesで(同志社女子大学)表示してプロジェクタで表示できるもの。言い方は極端ですが、私がオックスフォードから同志社女子大学のS506教室のホワイトボードに直接、字を書いているようなことが可能となっています。現時点での問題は、iPadのPagesに手が触れると(Apple Pencilではなく)キーボードが出てしまうこと、コマ目に保存しないと共有されないこと、ペンの種類を考える必要があること、などです。でもこれは私の練習で上手くなると思います。

ただ、依然として、ゼミ冒頭のコンピュータ接続がなかなか。今日は回線の状態も良くなく(といっても3時間半もつなぎっぱなしでは仕方ないか)声が途切れ途切れに。Facetime同士でつなごうとするのですが、コンピュータのFacetime同士(スマートフォンとはできると思います)が出来ない。結果的にLine(コンピュータ同士)になるのですが。ということもあり、私が登場するのはスモールトーク(Vermont Talk)もおわり、はいcoach、という状態です。これは授業などでつかみが全くない状態で授業をはじめるようなものです。次週は自宅からの中継(フラットのインターネット回線スピードを試してみるため)ということもありますが、日本時間で14:45(イギリス時間、6:45)から接続を試してみたいと思います。

日本を出発する前は私はほとんど登場することが出来ないのではないか、と思っていたのですが、インターネットとゼミメンバーの献身的な働き、多くの縁の下の力持ち(分かっていますよ!)、善意によって、まさに「若ゼミインターネットバージョン」が完成に近づいています。

また今日は発見も沢山ありました(ゼミのいいところです)。

冒頭の「得意泰然、失意冷然」は私が高校時代ですから実に40年以上前に洛南高校の古文担当、安引昭弘先生に教えて頂いたのですが(その時の先生がお話になっている情景まで覚えています)、英語に直すと、最初は、”(Even) When you are in a good shape, do not boast of it. (Even) When you are in a bad shape, do not be discouraged” としていたのですが、後半のゼミで話をしている内に "Keep calm and carry on" なんだな、と気づきました。

これから、就活、教育実習など人生の岐路が本格化します。是非、このモットーを覚えて頑張って欲しいと念願しています。必ず、冷静な自分を取り戻すことによって人生が切り拓かれると思います。(2018.5.7)

★今回の教訓:インターネット版のゼミを実行することによって普段のゼミのどこがいいのか、引き算で分かる。「普段のゼミ」ー 「インターネット版のゼミ」= ? 逆もありか。「インターネット版のゼミ」ー 「普段のゼミ」= ? 

PS. 私には実は兄が二人おります(妹一人)。私が夏美なのでよく兄は?と言われることがあるのですが、長兄はご想像通り、春海です。私が生まれる前に亡くなってしまったので会うことはなかったのですが今日が命日でした。本日は、日本の母に電話をしイギリスから長兄を偲んでおりました。

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