オックスフォード通信(201)How we see the world

World Bank の首席エコノミストのRさんが約1時間にわたって行動科学的な手法をDecision Makingにどのように活用しているかお話になりました

政策・政治・経済学と畑違いの分野ですが、新鮮な切り口を見せて頂いたように思います。特に、データ分析をベースにしながらその分析結果をもとに活動方針を決めていくという手法は組織としては重要だと思います。

最初のアイスブレーキングゲームでしたように、確かに握手などによって相手について直感的な情報を得ることはできますが、それがどれ程正確かどうかは不明です。顔の表情による判断もそうです。これらのDecision Making は結構当たっていますが(会場の意見はほぼ一致していました)、エビデンスを基礎とした方が問題の解決策にたどり着きやすくなります。

例としてあげられていたのは、発展途上国での人生観ですが、どのくらい自分の人生をコントロールできていると思うのかという問題について、直感的には途上国であるほどその比率は低くなると判断しがちですが、実際のデータは先進国と変わらない数値である事を示していました(日本などは逆に低いかもしれません)。

また、教育プログラムの紹介がありましたが、Growth Mindset(成長する自己イメージ・マインドセット)を産み出すためのプロジェクトの中でLearning Strategiesを教えるという部分は興味をひかれる部分でした。やはり学習方法を教えないと先生がいないところでは(辺境の地出あれば尚更です)自分で学ぶことが重要となります。

“What happens in the future depends on me” という言葉にも引きつけられるものがありました。

会場のBlavatnik School of Government は普段立ち寄らない建物(セキュリティーが厳しい)ですが参加している大学院生や研究者も教育学部とは雰囲気が異なるのも面白いところです。

またギリシア語を母語とされるかたの英語を聞くという意味でも興味深いセミナーとなりました。

PS. ゼミの各期のみなさんや友人、先輩、諸先生から200回目を祝うメッセージを頂きありがとうございました。

(2018.10.14)

★今回の教訓:Decision Makingという観点から考えると、逆に直感の方が合っていることの方が個人の行動にはあるけれどそれが組織になると一部の人間の直感に頼るのは危険なのだろう。今の日本やアメリカがそうかもしれない。How we see the world, How we decide. eMBeD

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