オックスフォード通信(108)スコットランド紀行(3)イギリス最高峰・ネビス山へ

スコットランドは美しい

これは旅をする前にはそれほど期待していなかったことですが、これほど美しい風景を目にすることができるとは思っても見ませんでした。

3日目の朝、例によって大量のブレックファストをPremium Inn で頂き、昨日は雨模様だったのが残念だったのでもう一度、Fort Williamsの駅で Jacobite号を見送った後、イギリスで最も高い山と言われる Ben Nevis へ向かいました。ゲール語でBenは山という意味(Lochが湖であることなど面白いですね)。

最高峰といっても1345mですので比叡山よりも少し高いくらい。でも滅多に頂上が見えるないと言われるように、本日も頂上どころか中腹から雲の中でした。

本日の麓、駐車場のパーキング駐車券はこれまでとは少し変わっていて、車のプレートナンバーも入力しろというもの。イギリスで面白いのはこのパーキング券の自動販売機ですらいろいろなバリエーションがあることです(統一できないのかしら、と思います)。

さて高めに設定のゴンドラに乗り(ひとり£19.5=約3000円、高いと言ったら、同じ日であれば何度でも乗ることができると、受付嬢はおっしゃいますが、スキーシーズンでもない限り、それはないだろう、と思っていたのですが、そうでもないのですね、夏はマウンテンバイクのメッカのようで若者から結構お年を召した方まで[圧倒的に男性]、山を下っていったり、バイクをゴンドラの外につけて乗っておられました)、頂上駅へ。ここから頂上までは300mくらいのはず。

地図をもらおうと思って売店のおじさんに話したらこの天候では絶対に頂上を目指してはいけないとのこと。時間は片道2時間はかかるし、霧で真っ白なので頂上からは何も見えない、そして遭難するかもしれないと。

前日のこともありますので、ここはあっさりと30分くらいでいけるView Pointまでいくことで決着。View Pointといっても霧で全く何も見えませんが。

ただ来て見てよかったと思いました。見ているだけでなく実際にスコットランドの山を歩いていみて、周りの高山植物や夜露のように綺麗な雫をつけている草々を目の前で見ることができました。ネビス山の中腹の木々もとても美しい姿をしていました。

その後、一路、Malligまでドライブ。ただこのネビス山からの約2時間のドライブが今日のハイライトだったかもしれません。緑の大地、気の生えていない低い山、その間を縫うようにWest Costの鉄道の線路。所どこに車を停めて風景を楽しめるようになっているのですが、これまで感じたことのないような自然との一体感がありました。

恐らく関係ないでしょうが、TolkienのHobbitやロードオブザリングの世界はこのようなものなのではないかと勝手に想像していました。少し歩いてみるとほんのわずか足がめりこむような地面の弾力があり、足に心地いい感触が残ります。

本当は予約なしでフェリーに乗れるかも、と思ったのですが、そろそろ「予約大国・イギリス」を実感している頃なので(前日のハイストリートを徘徊しながら良さそうなレストランに入ろうとしたのですが、ブッキングなしでは小さなレストランでもダメと言われてしいました)、朝、ホテルを出る前に予約完了(本来は最終便18:00に乗ろうと思っていたのですが、その時点で満杯でした)。15:20発のフェリーで一路、スカイ島へ (The Isle of Skye)。

フェリーは快適だったのですが、到着して車を出発させようとする直前、ハプニングが。地面に落ちていた、なんというのでしょう、パウチタイプと言うのでしょうか、中身は多分野菜ジュースを右横にいた車が踏んだ途端に放水のように中身が私のレンタカーに一気にかかってしまいました。おまけに、窓を全開にしてフェリー係員の指示を待っていましたので、外はもちろん、車の中まで(ダッシュボードやフロントガラスの内側)、ミックス野菜のようなものが飛び散ってしまいました。まあ、誰の責任でもないので(落としたのは踏みつけた車は多分関係なし、フェリーの係員は Are you okay? とは言っていましたが)、日本製のウエットティッシュで内側を、外側はやっと見つけたガソリンスタンドで日本でもしたことのない洗車をすることになってしましました(料金は3分で£1と格安)。

そんなこともありましたが、スカイ島も絶景の連続でした。絶景とはこれまでにみたことのないような風景という意味で書いているのですが、自然の美とはかくも素晴らしいと思いながら、いつ頃、恐らく火山の噴火によってこのような地形ができたと思うのですが、人間とは無関係に何万年前から存在しひょっとして人間が滅亡してしまった後にもその姿は残っているのだろうな、などと考えながらハンドルを握っていました。

(2018.7.13)

★今回の教訓:絶景は写真や映像で見るのとは全くインパクトが違う。実際にその場の空気に当たってみないとわからない。

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