オックスフォード通信(55)i-Seminar 第6回目: インターネットはいつも安定しているとは限らない

若ゼミインターネットもすでに6回目。春学期の40%まで来ました(実は2コマ連続でゼミをしているので実際にはもう12回以上。通常のゼミなら半期終了、オックスフォードは授業が8回なのでイギリス的にはすでに完了という換算です)。

本日はインターネットの状況が良くなく(予測はしていたのですが)、あわやここまでか、とも思ったのですが、ゼミメンバーの機転の利いた対応で何とか4時間近く(終わったのは午後7時前でした)のセッションを乗り切ることができました。特に前半の通信状態が良くありませんでした(これは同女またはオックスフォードの問題ではなくてその間をつなぐ大西洋・太平洋のリレー回線の問題だと思います)。

Facetime (apple) でスタートしたのですが最初から画像がモザイク状態で判別が厳しい状況。互いの音声は途切れ、途中からLINEに切り替えたのですがLINEは通信自体ができない状況に陥りました。そこでLINEの (Facetimeだったかも)音声のみに切り替えてインターネット電話状態でゼミを続行。

この間ゼミは随分整備されプレゼンターが事前にパワーポイントスライドをPDFにしてDropboxにアップしてくれているので画像がなくてもプレゼンテーションはフォローすることができます。ただこれまで何回か書いているように画面なしで音声だけ、しかも複数の、となるとさすがに厳しい状況ではありました。

ただ、画像を含めた通信が出来ている状況ではカメラとなっているマックをゼミメンバーがいろいろな角度から中継してくれたおかげでグループディスカッションにも参加することができました。
後半の5コマ目は画像も割と安定して従来通りのセッションに。Pagesの共有も最初は手間取りましたが徐々にこのワープロソフトを使った共有=手元のiPadを同女のホワイトボードに投射もうまくいくようになってきました。

特に本日のようなセッションを経験すると授業の構成要素を分解してみることができるように思います。授業で対面式で会っていれば全く意識することがないことですが、以下のような数式に再構成することができるかもしれません。

授業の土台 = (教師と学生、学生同士の)顔が見える + 声がハッキリと聞こえる + インターラクションをしようと思ったらいつでもできる

授業 = 授業の土台 + 知のインターラクション = スキルの形成 または新たな知の形成

普段の授業ではこの土台が見えにくいのですが特に教師は声が届いているか、目が行き届いているか、注意しなければならないと思います。

いずれにせよ、授業の土台は信頼関係を築くことと同じ事なのかもしれないと感じました。

(2018.5.21)

★今回の教訓:臨機応変とはよく言ったものだが瞬時にできる力は大切。インターネットゼミを通して普段のゼミでは形成できない知を本年度の18期生は身につけられるのかもしれない。

"Education is what survives when what has been learned has been forgotten" (B. F. Skinner).

Seminar is what survives when what has been learned has been forgotten.

© Wakazemi 1-20