オックスフォード通信(300/65)i-Seminar 第30回目:ファイナルセミナー&追いコン

春から取り組んできた i-Seminarもいよいよ本日、ファイナルセッションを迎えました。前半は従来通りのProcedureに沿ったセッションが進められました。本日は後半が追いコン(追い出しコンパ)となるため、会場が前半から楽真館R206教室に変更になりました。これはこのi-Seminarとしてはかなり大きな変更です。これまで利用してきた、S506やラーニングコモンズ・ワークショップスペースは2つのプロジェクタ、Wifi、そしてアップルTVが設置してあります。このアップルTVがミソでして、一見TVと関係あるようですが、実はMacWifiを通してプロジェクタにワイヤレスで接続できる優れものです。これがあることによってゼミで利用してきたMacbookも簡単に大きなスクリーンに映し出すことができていました。特に現在のMacbookやPro, AirはType Cと言われる接続端子しかありませんので通常のHDMI接続が出来ません。

さて、R206を利用するにあたりどうしようかと考えたのですが、実は先日(1/12)の第16回英語英文学科卒業研究発表会で同様の事象があり(ブログは未アップロード)、その際にソフトバンクSoftBank Pocket Wi-Fi(株、社グローバルモバイル)を利用した経験から割と簡単に解決策が見つかりました。ただ、先日の発表会では、SoftBank Pocket Wi-Fi 601HWが送付されたためだと思いますが(最新機種とのこと・・・たいていこの手のものは従来のコンピュータとの接続の相性は良くない)Macbookにはつながらず少し大変でした(詳細はオックスフォード通信(291/74)参照)。その経緯もあるので、今回はリクエストとして、501HW モデルをリクエストしておきました。

若ゼミ18期生でこれまでこの接続設定を継続的かつ献身的にしてきて頂いた、Mさんから昼休み(日本の)に一度接続チェックをしたいと連絡がありました。彼女は時差もこともよく分かっていて恐縮しながらも、事前チェックの重要性を理解していたので、私も奮起して早起き?して(早朝、3:30)接続設定を一緒に確認しました。やはりこのような大きなイベントの際には大切ですね。早起きして良かったと思いました。MacとPocket Wi-Fiの接続、MacBose SpeakerとBluetooth接続、Macと教室内マイク・スピーカーのチェック(物理的にMacのスピーカーの前に持っていく)、Macの位置など手際よくチェックされていきました。幸い、MacとPocket Wi-Fiの相性も良く画面もクリアに映っていました(今回は一貫してFacetime利用)。

さて、本日のプログラムは以下の通りです。

4コマ目: 15:00-16:00 (R206 2F, Rakushinkan Building)
Convener: A & S

① Final Vermont talk topic: If you dare to choose one most memorable moment of the two-year seminar life, what is that?
② Words of the week: All endings are also beginnings.
③ Mini-slideshow (5 minutes)
④ Few words from Dr. Kitao
⑤ Few words from Miss Kato
⑥ Taking photos
⑦ Course evaluation

5コマ目: 16:30-20:00 (R206 2F, Rakushinkan Building)

⑧ 第16回若ゼミ送別会: 史上初のセルフ追いコンです。全員の力で素晴らしい会にしましょう!
Convener: N & N; A & M

3回生から取り組んできたsmall talk (Vermont Talk) も最終回。これまで2年間のゼミの中から印象的なものを1つ選ぶというものです。通常はMe, too. Me, three. 時に、Me, four. は有りなのですが、今回は他のメンバーが言ったものはNGというルールを設けたため、17+2 (教員)=19通りのイベントが結果的に紹介され、2年間を振り返る事ができたと思います。

次に私からこの2年間の総括を次の内容でお話しました(概略のみ表示)

・Thanking seminar members for their diligent participation and great contribution to the seminar
・New possibilities of the internet and the internet seminar
・Unlimited possibilities of the seminar members
・Wakamoto Seminar 18 as the best seminar in the world
・Realizing our motto: Never miss an opportunity to be fabulous
・Gratitude to Professor Kitao and TA Kato

特に、この1年間、私とタッグを組んで頂いた北尾教授には感謝の言葉しかありません。ご自分のゼミが有りながら、プラスアルファで若ゼミの面倒も見て頂き、一泊二日の冬合宿にもご参加頂きました。ご本人がVTでもおっしゃっておられましたが、北尾先生を冬合宿にお迎えして研究の質がグンと上がったことを実感しています(これは来年度のゼミにおいてもゲストをお迎えすることも真剣に検討したいと考えています)。またTAとして3回生秋学期からゼミのサポートをして頂いた大学院生の加藤さんにも感謝してもしきれないくらいです。特にこのゼミは2コマ連続で行ってきたため、5コマ目を中心にお世話になったとはいえ最初の4コマ目から配布物などの準備をして頂いていたため非常に長時間、面倒を見えて頂くことになりました。

この後、北尾先生からは、冬合宿について思い出をお話頂き、卒論が大学院レベルの質の高いものになっていると絶賛していただいたことは望外の喜びでした。また加藤さんからは年長者(ほんの少しだけ)として温かく優しく若ゼミメンバーに接して頂いたことが伝わってくるお話をしていただきました。i-Seminarとはいえ、4コマ目は北尾先生、5コマ目はTAの加藤さんが常にゼミメンバーの側にしてきめ細やかなご指導を頂いてきたことを改めて実感することができました。

後半は追いコンです。これは若ゼミ伝統行事で、3回生からですので実に16回目の追い出しコンパとなります(若ゼミでは3期生が多くの基礎を作っています。追いコン・現在では学科公式行事のポスターセッション・卒業研究発表会も3期生からスタート)。従来は追いコンという名前の通り、3回生ゼミメンバーが先輩を送ることになるのですが、本年度は3回生ゼミが開講されていないため、追いコン自体の開催も危ぶまれました。しかし、18期生の創造性豊かなアイディアによって「セルフ追いコン」という形で自分達で自分達の卒論の完成を祝い、卒業を祝す会を開催することができました。

オックスフォードからFacetimeによる中継で私も参加させて頂いたのですが、ゼミ活動の集大成として相応しいすがすがしい会となったと、誇りに思える素晴らしい追いコンとなりました。インフルエンザのため登校できなかったCさんもFacetimeで自宅から参加することができたのですが、いつも誰かがコンピュータに向かって話しかけたり(私には滅多にないことですが)、ゲームにもコンピュータを持っていって一緒に参加できるようにするなど、i-Seminarらしい光景が繰り広げられていました。和気あいあいというのは柔軟性があって自由でいいと思います。このゼミはゼミ長のような特定のリーダを作らず、プロジェクトやイベント毎に4名程度のリーダー集団が交替で担当する形を最初から取ってきました。

このメリットは大きく、
1.17名全員のリーダー性が育つため、ゼミ全体の力量が向上する
2.いわゆるリーダー疲れがない
3.リーダーが毎回変わるので、逆にリーダーに対しても自由にものが言えるため、アイディアがよく練られる、お任せにならない
4.リーダーが毎回変わるので、自由な発想ができる

今回の追いコンも「追いコン」担当の、A、M、N、Nさんの4名が時々私にも連絡をしてもらいながら、教室の配置図の作成からリフレッシュメントの手配、プログラムの作成まで全てを取り仕切って見事な仕事をしてくれました。

最終的には、会が終わったのが午後9時ですので、4コマ目からカウントすると実に6時間の長丁場でしたが、最後の片付けまで含めてすべて自分達でやり切った見事な追いコンになったと思います。

追いコンでのプログラムは各スタディーグループ毎に出し物という形でゲームが4つあったのすがそれらもこのゼミを象徴するような楽しいものでした(キーワード作文、若ゼミクイズなど)。そしてハイライトが最後のゼミメンバーによるスピーチです。追いコンというとどこでも最後にこのスピーチがあると思うのですが、最後の最後にいろいろな本音が聞けて興味深いのですが、本年度は特にイギリスから参加ということもありましたので、心にしみるお話が目白押しでした。少しだけ御紹介したいと思います(私の備忘録も兼ねて)

Yさん:最初はなかなか心をひらくことができなかった。もっと早く心を開けばよかった
Tさん:ゼミを離れてもいつもみんなが仲良くしてくれて嬉しかった
Mさん:STEPを通してゼミメンバーとの距離が近くなった
Aさん:大学に入って目標を失っていたけれど、このゼミを通してこの大学に来て良かったと思えた
Cさん:最初は教職を取っている人用のゼミだと思っていた。心にとげがあったけれどプロジェクトを通してみんながそのとげを取ってくれた
Aさん:忙しくてコンパなどに参加できないこともあったけれど皆が優しく受け入れてくれた
Rさん:JTECの時に自分で失敗したと思って落ち込んでいたときにも、心配しながら普通にせっしてくれた、何て心の優しい人達なんだと思った、みんなにとっては小さな事かもしれないけれど自分には大きかった
Nさん:これまで真剣に取り組むことがなかった、息を潜めて生きてきた、だからこそ大学に入って後悔のない4年間にしようと決意して臨んだが、ゼミのおかげで充実した大学生活になった
Iさん:世界一あたたかいゼミだと思った
Mさん:若ゼミのキャラでないなと思っていた
Sさん:みんなに感謝の言葉しかない、ありがとう
Mさん:ゼミに入って大学に来た意味を見いだせた
Hさん:大人数は苦手だったけれど、この大所帯のゼミの人数が気にならなくなった
Hさん:4回生からゼミを離れたけれどいつも若ゼミだと思っていいと言われて嬉しかった(いつもそう思っていますよ)
Nさん:このゼミのメンバーはみんないつも目標に向かって頑張っている、ところがすごい
Hさん:スライドショーで3回生では笑っていなかったけれど、4回生から笑顔の自分が見つけられた、最初は大変だった
Mさん: 3回生の最初は英語でプレゼンテーションをしたり英語を話そうと思ってもなかなか出てこなくて口惜しかった、しばらく経ってみんなと打ち解けることができたと思える瞬間がやってきた
Nさん:尊敬できる人ばかり、その人のいいところを100個言えといわれたら全員について言える自信がある
Mさん(トリ):3回生の当初は打ち解けることが出来ず課題も大変でよく泣いてた、ゼミにも行きたくないと思うこともあった

思い出しながら書いていますのでもちろん正確ではないと思うのですが(すいません)、でもこのスピーチをお聞きして本当に良かったと思います。私が教員として気づいていないことばかりでこのようなチャンスがなければ知らずに終わっていたかもしれません。共通して、若ゼミを選んで良かった、同志社女子大学にきてよかった、と皆さんが異口同音に言って頂いたのは嬉しい限りでした。中には、わざわざ愛媛から出てきた甲斐があったとまで言って頂いたメンバーもいました。

また私の1,2回生の授業がきっかけだっという声もありました(「異質な人がいる」と思ったとも)。

今回の追いコンが事実上、若ゼミの最終回ということになるわけですが、お話をお聞きしながら、私の方こそ、このゼミを選んで頂きありがとうございました、と言いたいと思います。素晴らしいゼミメンバーに出会えて教師冥利に尽きます。ゼミは決して楽しいことばかりではなく、長時間のゼミに加えて時にはこれまで自分が経験してこなかった新しいプロジェクトに参加することも多々あったと思います。互いに切磋琢磨しながら、学術的にも高度な研究がゼミで出来たと思いますし、チームとしてもすばらしい友情を育む事ができたと思います。

今週のひと言にもあったように「旅の終わりは旅のはじまり」だと思っています。これからもこの若ゼミ18期生の旅が豊かに続いてゆくことをゼミ担当者としては願わずにはいられません。

最後に、ゼミメンバーを代表してAさんから「時差もものともせず、coachが日本にいるのと同じような感覚でゼミを指導して頂き、充実したゼミなりました、ありがとうございました」と言葉を頂き、全員から「ありがとうございました」との感謝の言葉を頂戴しました。この上ない光栄な瞬間でした。

i-Seminarから私自身が学んだことは多々ありますが、この言葉ほど嬉しいものはありませんでした。

Thank you, everybody!

PS. 後輩がいないので従来のプレゼントはなし、と思っていたのですが、追いコン係からにくいプレゼントが。またコース担当者からはゼミのマグが2点。ゼミメンバーは(恐らくこのブログは読んでいないと思いますが)なぜ2つのマグをプレゼントしてもらったのだろう?と不思議に思っておられると思いますが、それは秘密として、お薦めの利用方法を御紹介しておきたいと思います。写真付きのものはペン立てやゼミの記念として飾っておく。Never miss は割らないように気をつけながら普段使いでコーヒーや紅茶を飲むのに使いながら、ゼミ精神をいつも自分にリマインドする、というのがひとつの方法かと思います。もちろん、自分で自由にお使い頂くのが一番だと思います。

(2019.1.21)

★今回の教訓:「旅の終わりは旅のはじまり」。これは映画「旅芸人の記録」(テオ・アンゲロプロス監督、1979年)の最後のセリフ。大学時代に衝撃を受けたこのギリシア映画。いい言葉だと思う。


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