オックスフォード通信(226)エジンバラ紀行(2) Cranachanとスティーブンソン

エジンバラの人は気さくで親切です

旅行をしていてそれほど多くの方と話をするわけではないのですが、でもホテルで、パブで、観光地で少し話をすることがあります。その端々からその人となりが伝わってくるのは面白いものです。

最近はまずホテルに着くとホテルのスタッフにその街の美味しいレストランを聞くことにしています。そしてなるべくその地方の料理を食べることのできるお店を。その際に料金で高いところから手頃なところまで3つほど教えてもらうと完璧です。

エジンバラでも到着してすぐにホテルに向かい、美味しいランチの店を教えて頂きました。これまでの経験に違わずリーズナブルな料金で(2品どれでも £11といった感じです)エジンバラの美味しいランチを頂くことができました。このテクニックは日本人がバイブルにしている「地球の歩き方」よりも安くて美味しい店に確実にたどり着く方法だと最近は確信しています(9月ウイーン・プラハ・ドイツを訪問した際にももちろん活用しました)。

このお昼をたべたHowiesもまたそのようなお店でした。11:30くらいに行くと12時からなので出直すようにと。でも気になって戻って12時に念のために予約をしておいて良かったです。12時少し前に戻ると日本の人気レストランのように外に人がイスに座って待っています。中に入ると結構広い店内はどんどん人で埋まっていきます。

ここでも店員さんの受け答えがオックスフォードやロンドンよりも親しみがこもったもののように思います。するとビールも料理も美味しく思えるから不思議です。

夜に訪れたDeacon Brodie’s Tavern では更に人情味のある女性店員に会うことができました。この店は予約ができないということだったので、小雨が降る中お店に急ぐと続々と客が入ってきます。1Fがパブで2Fが食事ができるレストランという構造。2Fに行くと40分待ちとその愛嬌のある店員が。14分では?というと強調して40分と。あきらめて帰ろうと思ったのですが、そういえば昔トロントのレストランでよく一杯飲みながら順番が来るのを待っていたことを思い出し、一杯のパブで席を何とか譲ってもらって待つことに。再度2Fに行くとニヤリとしてその店員が40 minutesといいながら日本のレストランであるような順番が来たらブザーで知らせる Pager のようなものを渡してくれます(イギリスで初めてみました)。ビールを飲み始めて待つことなんと5分少々でブザーが鳴ります。2Fにいくとその店員が短い40分だったねえと笑いながら席に案内してくれます。この辺りが旅の面白いところです。

店内には Robert Louis Stevenson の絵がいくつも。聞いてみるとこの店に来ていたかどうは定かではないけれど、この店の近くに住んでいたとのこと。そう、「Treasure Island (1883)」や「Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde (1886)」で有名なスティーブンソンです。

デザートで勧めてもらったのがクラナカン(Cranachan)というヨーグルトに蜂蜜とウイスキーが少し入ったものです(よく考えるとホテルの朝食のデザートにも似たものがありました。ウイスキーは入っていなかったけれど)。その店員さんにエジンバラは好きですか?と聞いてみると私はエジンバラから少し離れた街の生まれでずっとそこで育った、エジンバラは大きな街ですきではないとのこと。

なるほど、なるほど、と思いながらクランカンを頂きました。

(2018.11.8)

★今回の教訓:訪問するとその街で生まれた作家や作品を読んでみたくなる。その意味では文学は奥深い。私もかすかにスティーブンソンの名前を知っていたからこそ、Tavernでああ、と思うことができたのだろう。そう思うと文学概論などの授業はイヤでも大学生に教え込む必要があるのだろう。ただし、私のような体験談付きで(後日役に立ったよ、と)。

© Wakazemi 1-20