オックスフォード通信(130)Jacinda Andern (PM of NZ)

ニュージーランドを年末年始に訪問してからすでに5年近く(2013年末-2014年頭)経ちます

南島のクイーンズタウン (Queens Town) から旅をスタートしたのですが、飛行機が徐々に高度を落として南アルプスの切り立った山々が目に入り、そして氷河の水が流れ込んだ湖を見たときの感動を今でも忘れることができません。その後ロープウエーで高台まで上がってみたのですがさらに青々とその湖は水を湛えていました。ミルフォードサウンドの静まりかえったフィヨルドも強く印象に残っています。

本日のイギリスガーディアン紙をめくると、ニュージーランドの女性首相である Jacinda Andern が出産から6週間で仕事に復帰したニュースを一面で報じていました。何か、日本との大きな差を見せつけられたようで少し呆然とするような気持ちでした。

ニュージーランド美しい国土を持っているだけでなく、女性が住みやすく働きやすく出産もしやすい国なのだなと思います。

基本的姿勢として私は特定の大学とか誰か国会議員だけが悪いと追求する気持ちはサラサラありません。漏れ伝わってくるニュースでは出産をしないゲイに手厚い保護はいらないとか生産性が低いとか(エルトンジョンが聞いたら激怒すると思いますが)、すぐ辞めてしまう女医さんを抑制するために大学入試で女子の点数を一律減点してきたとか、それ自体は呆れ返る話ばかりで、なぜそのような国会議員や大学が存在するのか目を疑いますが、それは誰の責任なのかと思うわけです。民主主義国家と言っても日本はその程度なのか、と思うますが、モグラ叩きのように次から次へとレベルを疑われるような話が出てくるのは、その特定のグループや個人の問題ではなくて、日本人全体が醸し出してきた負の文化の表れなのかもしれないと思います。

陸上競技での10000M走で言えば周回遅れもいいところで2-3周遅れているように思います。

もちろん、そのような問題を放置もできないし追求もしなければならないけれど、国会議員ならそのような政党には一切投票しない、そのような大学には子弟を送らないなど国民が毅然とした態度を取らないからいつまでもこのような問題が起きるのだと思います。そもそも自分は関係ないとか、暗に支持をしている人たちの割合も多いのではないでしょうか。

これまでは選挙になって、土下座されたり、涙ながらに訴えられるとそれまでのことをすっかり忘れて一票入れるのは、日本人のおめでたい、お人良しが現れているように思ってきたのですが、最近ではむしろ、未来に対して無責任な態度だと思うようになっています。その一票を投じたり、棄権をすることが、現在の日本の状況を生んでいることにもっと目を向けるべきだと思います。

私は別に日本が全てニュージーランドのようにならなくてもいいと思いますが、少なくとも今回の記事を読んで、ニュージーランドの方がさわやかな風が吹いているように思いました。

さわやかな風が吹いている地域を増やせば、愛国心も自然と備わってくるように思います。

デジタルは若者の独断場。社会を変えるいいチャンスなのかもしれません。

さわやかな国に住み、さわやかな風の吹いている大学で教えたり学んだりしたいものです。

(2018.8.4)

★今回の教訓:女性の首相がいて、出産して職に戻る。これ以上のロールモデルはないだろう。

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