オックスフォード通信(128)イギリスのセキュリティー:パソコンのオキパ

みんなパソコンを置いたまま休憩に入ります

自分のオフィスではなく図書館の話です。図書館以外にもコスタなどのカフェでトイレに行く際にもパソコンは机の上においたままです。

ビックリします。これは時々ではなくとずっとです。オックスフォードに来てからありとあらゆるところで、本だけでなくラップトップなどなくなると学生生活や仕事に大きな影響を与えるものを置いたまま、トイレに行ったり食事に出かけたりしています。

オックスフォード大の図書館に1時間以上の離席の場合には荷物を持って出るようにという注意書きがあるように1時間くらい自分のパソコンを置きっぱなしにすることはザラのようです。注意書きでいうと、オックスフォード大では盗難に注意という張り紙は一度も見たことがありません。

トロントにいる時、私の友人の友人が、大学の図書館で勉強をしていて疲れたのでその場で伏せって寝て置きたらカバンから机の上においてあったパソコンまでごっそりと盗まれたということがありました。それゆえ私はトイレに少し席を立つ際にも、パソコンなどをデイパックに入れて持って行きます。それは習慣なのでいいのですが、自分だけそのようにしているのが少し気になっています。

と言っても、ラップトップを机の上においたまま離席する勇気はまだありません。

最初はセキュリティ・カメラがあちらこちらにあるので、そのおかげで盗難がないのかと思ったのですが、そのような装置はどこにも見当たりません。おそらくオックスフォード全体でセーフ・コミュニティーが出来上がっているのだと思います。そしてその掟を破るようなことがあれば、周りの目がそれに立ちはだかるのだと思います。

今日の午後、図書館の外で恐らく観光客の外国人(英語ではありませんでした)の携帯電話での声高の会話が耳に入ってきました。それは5分以上続いたと思うのですが、一人の女子学生が外に目をやり、受付の方へ歩いて行きました。その後ピタッとその声が止みましたので、恐らく図書館員に訴えに行ったのだと思います。日本ではあまり見かけない光景です。

目には見えないけれどアカデミックな良いコミュニティーがあるのがオックスフォードなのだと思います。

安心して何かに集中できる環境は研究をしたり学んだりするのにとても重要なことだと思います。

同志社女子大学の楽真館ラーニングコモンズもそのような空間になるといいですね。またその可能性は十分あると思います。ラーニングコモンズについては、先月末発刊のAsphodel (2018) Vol. 53 に大学院生グループの研究論文(加藤他)が掲載されていますので是非ご一読下さい。

(2018.8.2)

★今回の教訓:日本の盗難注意の張り紙には何か効果があるのだろうか。

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