オックスフォード通信(126)Apple と Windows

この夏は大学の図書館、ラドクリフ・カメラ で仕事をすることが多くなっています

日本と同様に歴代1位ではないかといわれるくらいの高温と連続した夏の日差しはさすがに日中はこたえます。所属する教育学部の図書館の方がフラットからも近いので(約7分くらい、ラドクリフで10分くらい、あまり変わりません)すが、建物の壁が薄いせいか、暑さがすぐに室内に伝播します。一方、ラドクリフは本格的石造りで窓も多くないのでエアコンが入っているのではと思うくらいひんやりします(通信120参照)。日本の蔵と思っていただくといいかもしれません。

さて、そのラドクリフで(写真は厳禁なので残念ながら撮ることが出来ません)周りを見渡すと、ほぼ全員と言っていいくらいラップトップを持って来ているのですが、これもほぼ全員と言っていいくらい Apple の製品、Mac を使っていることに気づきます。

世間的にはマックのシェアは精々10%くらいだと思うのですが、オックスフォード大学の大学生、大学院生、そして研究者を含めても逆に90%以上のシェアがあるように思います。大学の図書館のコンピュータはデルなど全部ウインドウズなのですが、個々のユーザーが全く逆転していることは興味深いことだと思います。

日本でも大学の図書館やコンピュータルームのコンピュータはほぼ全部ウインドウズですが(同女の創造メディア学科にはマックの部屋があります)、大学生もウインドウズを使っています。なぜ日本ではユーザーレベルでのウインドウズとマックの逆転現象が起きないのでしょう?

マックの方が使うのに難しそう、という声をよく聞きます。両方使っている立場からすると全くの誤解でウインドウズの方が150%くらい使いにくいという印象を持っています。

これは(日本人大学生がマックを使わない理由)日本人の方が自分で考えて選択していないのでウインドウズ優勢になってしまっているのではないでしょうか?日本人大学生で良く聞くのは「どのコンピュータが使いやすいですか?」ではなくて「みんなはどのコンピュータを使っていますか?」というセリフです。すると必然的にウインドウズになってしまいます。

イギリスの大学生もみんなが使っているからという理由でマックを使っていると思うのですが、その流れを作った人達はおそらく最初の質問を問いかけてマックを選んだのではないでしょうか。またマックが使いにくくいなれば、ウインドウズに乗り換えることもいとわないことでしょう。

たかが、コンピュータの種類ですが、日本と同じ島国根性を持っていると言われるイギリスの大学生の方がより現実思考かつ未来志向な気がします。このマインドセットは必然的に就職先や支持政党にも反映されているように思うのですが、過大解釈しすぎでしょうか?

「みんなはどこの会社を志望していますか?」

「みんなはどこの政党に投票していますか?」

と。

(2018.7.31)

★今回の教訓:マインドセットを変えることはなかなか難しいが、異なるマインドセットに触れることは外国語学習の重要な目的であるように思う。

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