オックスフォード通信(124)新聞考

さすがイギリスには多くの新聞があります

定期購読はしていませんが、週に3回購入して読んでいます。テレビのBBCニュースもよくできていていいですが、やはり新聞でニュースを読みたいですね。インターネットのニュースも見ますが、じっくり読むのには向いていないと思います。

いろいろな新聞を試してみました。まずはローカルなOxford Times。字体(重要です)もトピックの選択も適切でイギリスに来た頃はよく読んでいました。次は、The Times(タイムズ)。イギリスの代名詞のような新聞ですね。ただ読んでみるとフォントが少し小さいのと記事自体にあまり興味を持てませんでした。友人のPさんによると、保守系新聞と位置づけられているようです。そうお聞きするとなるほどと納得するところがあります。

社会事象に切り込むというスタンスは余りなく、ニヤリとすることもなるほどと思うところも少ない(あくまでも私の個人的な印象です)。

新聞は徒歩5分のところにあるCo-operative(コーオプ)かM&Sというスーパーで買うのですが、最近の定番は、The Guardian(ガーディアン)です。字体がコーナーによっては小さな場合もあるのですが、適度にカラフルな配色もいいですし、少なくとも1箇所はじっくりと読みたいと思える記事があります。いわゆる読み応えのある記事です。

日本の新聞にないような深みのある記事や論文のような記事もあります。いわゆる質の高い記事といえるようなものでしょうか。例えば、2日前の「英語が世界を席巻する」という記事には考えさせられました。英語が世界を覆い尽くしているために、2週間に1つの世界の言語が死滅しているというところには考えさせられました。このような記事を英語の総本山のイギリスの新聞が掲載することにも感じ入るものがあります。ただこのような長文をインターネットで読むのは辛いのでやはり購入してということになります。

また最近のニュースでは、イギリスの先生が多忙で、特にメールなどによる父兄との応対で疲弊しているという記事も日本とのあまりの類似性に、先生はどこの国でも時代の最先端に立たさせれていることを実感させられるものでした(GuardianのHPのリンクが切れているようですがpdfがありますので必要な方はメールでお知らせください)。

こちらの新聞の楽しみは、土曜日版にあるのも面白いところです。通常は£2が(約300円)が£2.9(約440円)ですから少し張りますが、読書ガイドなどいろいろな付録が付いてくるのも有難いところです。ただ、日本の新聞が一部売りで150円〜160円であることを考えると(£で言うと£1、半額ですね)、日本の新聞が薄いのは仕方ないことなのかもしれません。

新聞不況はイギリスも同じで、ただでインターネット版を利用している読者には、購読のお願いだけでなく、donation(募金)のお願いが載っているのも、いかに新聞が危機的な状況にあるか、示しているようです。

日本の新聞よりは少々高いですが、これからも週に3回は新聞を購入し続けたいと思います。

(2018.7.29)

★今回の教訓:夕方に行くと他の新聞は売れ残っていても、ガーディアンはオックスフォードでも人気新聞の一つのようで、大抵売り切れてる。小学校6年生の時に夕刊の新聞配達のアルバイトをしていたが、こちらで新聞の宅配もあるはずだがそれほど利用している家庭を見かけない。

© Wakazemi 1-20