オックスフォード通信(101)帰国便・その後

航空チケットはネットではなく、旅行代理店で購入するべきです。

以前、A社の帰国便を予約変更で(11月→3月末)しようとしたところ既に予約で一杯でできなかったと報告しておりました(通信91)。その後日談です。

私は21世紀になってから(おおげさ)ほぼ全ての海外航空券を奈良県にあるR旅行代理店にお願いしています。今となっては何がきっかけだったのか記憶が定かではありませんが、電話一つで細かなリクエスト(例えば、飛行機の座席は窓側で翼にかからない所で外の景色が良く見えるところにして欲しいなど、大したものではありません)に気持ちよく答えてくださることと、最初の頃はチケットを研究室まで手渡しで持ってきてくださるなど、人間味あふれる対応にほれ込んだのが理由だと思います。

国際電話をしたところ、既に代理店は閉まっている時間だったのですが、オーナーのSさん(いつも声だけでお会いした事はありません)個人の携帯につながりました。事情を簡略に説明して詳細をメールで送ると、翌日には解決策の提示のメールが届いていました。

L航空(同じスターアライアンスグループ)だがA社のコードシェア便(という形だと思います。ですから形の上ではANAという事)に変更して3月末の航空券の発券が可能とのこと。同じことをA社の東京(恐らく)事務所に電話で相談したのですが、そこではそのような話では出ることもなく、オプションは2つ、正規運賃の60万円のチケットか、格安の15万円の片道チケットを再購入する、という選択肢から選んでください、というものでした。もちろんその時点でインターネットを調べるとF社のヘルシンキ経由がA社の半額くらいの格安チケットが出てきましたので、これで帰らないと仕方ないなあ、と思っていたところです。

では、チケットの変更に全く料金が発生しないかというと、
・払い戻しになるもの:週末料金ー>平日料金 ¥5000払戻し
・追加料金:空港税追加(経路が変わったため)¥1690、再発行手数料 ¥2160

とうまく相殺できそうだったのですが電子チケットを現金化するのに¥5400かかる為、空港税の追加は払い戻しの5000円を充て、残りの¥3310の払戻は放棄し、再発行手数料(これは代理店の業務に関するものなので充当できない)のみの支出ということで決着しました。約2千円でチケット問題が解決したということです。

飛行機のチケットを購入する際、安いからといってインターネットのクリックで購入をしている大学生も多いと思うのですが、今回の事象が象徴するように人の機転によって救われることがあります。ネット自体は救ってくれません。

お会いした事はないと書きましたが、Sさんそしてもう一人のSさんが誠実なお人柄である事は電話の声からよく分かります。またA社の社員さんも長時間に渡って親切に色々な方法を考えてくださったのですが(感謝しています)、R代理店との違いは、どれだけ「お客さん」の立場に立って考えているか、という事だと思います。恐らくR代理店は大会社というような規模ではないと思いますが、人間味あふれる、言い方を変えると、お客にあった柔軟な対応ができる会社なのだと思います。ここは大事なところですね。よくルールとかプロセス論を持ち出して、そのような個人的な対応をしてはいけないのだとおっしゃる方も(特に大学において)いらっしゃいますが、そうなのかな、と疑問に思います。単に面倒くさがっていらっしゃるだけではないかと。

飛躍してはいけませんが、同じことは大学での教員と学生の関係についても当てはまるのではないか、と思います。つまり学生のことを本当に親身になって考える、ということ。

その意味では同志社女子大学は学生規模が6000名、英語英文学科で一学年145名と中規模でいいサイズなので、節度のある人間味あふれる対応が十分できる条件にあると思います。

でもオックスフォード大学の規模は同志社女子大学よりも遥かに大きいのですが、対応はとても人間味溢れるものです。なぜできるのでしょう?

この人間味溢れるというのはつまるところ「一対一の対応」をするという事です。確かに時間も労力もかかりますが、効果は絶大です。

恐らく完璧にしようと思っていないのでしょうね。または「求めよ!されば与えられん」に基づいて申請のあったものだけに対応しているのかもしれません。

インターネットゼミを続けていますが、恐らくこの「一対一の人間味あふれる対応」にインターネットをうまく組み合わせると効果的になってゆくのだと思います。

オックスフォード滞在も100日を超え、そろそろ、Connecting the dots、すなわち、関係ないと思っていたことがつながり始める、ということを「感じて」ゆきたいと思っています。

(2018.7.6)

★今回の教訓:100回を記念してFacebookにリンクを貼ったところ多くの方からご支持をいただいたり、更に365回まで頑張るよう激励のメールを頂いた。365回は無謀と思えるがまずは200回を目指して頑張りたい。

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