オックスフォード通信(70)BBC Radio 3

ストラテジーとはなにか?

これがオックスフォードでのこの1年間の研究の根底にある問いです。ストラテジーは方略と訳されますが、方略を持った学習とそうでない学習では何か違いがあるのか、という問いに言いかえることができるかもしれません。

もちろんこの問いにはYesと答えたいのですがそうではない、Strategicな学習を否定するグループもいます。それは言い換えると普通に生きているのと何か目標を持って考えながら生きていくのと何か違いがあるのか、と問いにもなるかもしれません。

人生と同じように学習にはつまづきやもうやめてしまおうと思うこともあります。その時に助けてくれるものが方略だと思います。生きるのも学習するのも本人であって他人が変わることはできません。でも他人との交わりの中で「気づく」ことはあります。また方向を修正したり、目的を再確認することもできます。どう考えても本人の無自覚な生き方や学習と戦略を持った生き方、学習では大きな相違があるように思います。

ただ、戦略を日本語で表記すると何かズルイという印象が滲み出てしまいますね。何か、いい邦訳がないものかと考えています。指針、作戦、計画、学習セット、プレイブック・・・。またいいものがあればご示唆ください。

さて、仕事をしながら日本でもオックスフォードでも自室の場合には音楽を聞くことが多いのですが、その際に集中できるのがLight Popかクラシック音楽です。ラジオ(インターネットラジオも含めて)自分で探して聞いていたのですが、昨日Pさんといろいろと話をしている中でBBC Radio 3Classic FMの違いになりました。両方とも知っていたのですが、流石に地元の人間ですね。イギリス人からするとBBCの方がよりseriousとのこと。そう思って聞いてみるとうーん、違いがわかる。友人と学習方法について相談するというストラテジーメタ認知方略)がありますが、まさに音楽について相談していい道が見つかったように思います。この方法がいいのがPさんの優しい人柄がBBCを聞こうとする意欲につながるところです。

英語学習方略でも同じだと思います。先生や友人と英語の学習方法について話すといい道が見つかるように思います。こんなことを考えるとやっぱり方略はあるし、指針のある学習者は自分のプレイブックを持っているよな、と感じます。

自分の英語学習のプレイブック、生き方のプレイブックを持つことなんでしょうね。そこにいくつものフォーメーションが書いてあると役に立つのでしょう。

今、若ゼミメンバー(17期、18期)の協力も得てリスニングストラテジーの質問紙を作製中です。暫定版ができたら読者の皆さんにも試していただきたいと思っています。明後日、R先生と相談して何とか形にする予定です。

(2018.6.5)

★今回の教訓:英語学習のプレイブック、なかなか良いタイトルかもしれない。この線で考えてみよう!

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