オックスフォード通信(44)イギリスが非効率のわけ

今住んでいるフラット(アパートです)は 家具付き(Furnishedと言います)。

冷蔵庫はもとより洗濯機、掃除機からコーヒーテーブルから机、ベッドからスプーン、フォークまでおよそ生活に必要なものはほぼすべて揃っています(といっても、TV、時計はありませんでしたので、ソニー製のTVとラジオ付き時計を購入しました)。まあ、付いているので文句を言ってはいけないのですが、それぞれに多少の問題があります。

例えば、シャワー室についている取っ手はしっかりと持ってしまうと取れてしまうほどもろそうですし、掃除機は電源コードが異様に短く各部屋でコンセント(let)に差し込み変えないと使えません。昨日なぜこんなに不便な造りになっているのかと話をしていたところ、ある発見がありました。それはどうもイギリスで掃除をしているのは女性ではなくて男性なのではないか、ということです。

イギリスは物価が高く Costa という一般的なコーヒーショップで何かを注文すると£3(450円)くらいします(日本のドトールコーヒーくらいなので値段は少し高めですね)。税金も高く、カナダでは取られなかった住民税も年間で£2000(約30万円)も徴収されました(1年間滞在の外国人から徴収するとは!日本では中高のALTは初年度は無税です)。となると必然的に共働きをせざるを得ず、夫婦ともにフルタイムの仕事を持っているというのが普通のように見えます。事実、街の至る所で女性が活躍しています(長距離バスの運転手から大学の事務職員に至るまで)。

すると必然的に家事も夫婦で分担となるのでしょう。妻曰く、掃除機は確実に男性の仕事だわ(まだ幸いなことにこの仕事は私に回ってきません)。すると多少電源コードが短かろうが、不便であろうが男性はあまり文句を言わないのでは、と。日本の家電が高度に発展してきたのは女性、特に妻の家事を軽減するために細かな主婦の要望に答えてきたからではないかと。

なるほど、と思います。日本の高度な家電文化を形成したのは女性、主婦の知恵なのかもしれません。

今日は Ethnography についてのセミナーに参加してきました(なんと参加者は私一人でした)。ボートをどのように作るのか、vocational training に関してワークショップに参加しながらそのリフレクションをジャーナルとして書き綴っているという博士論文プロジェクトの発表です。私のこの報告もいわばイギリス生活のエスノグラフィー(民族史的記述)になってきているのかもしれません。

ポイントは思ったその時に書かないと永久に記憶から失われてしまうということです。もともと若ゼミ18期生の書き綴りをサポートするために補助的にはじめたものですが、ここまで書いてきて結構面白いものが積み上がってきたと思っています(どれだけの人が読んでいるか定かではありませんが)。

できれば365回を目指して日々の発見、思ったことを書き続けていきたいと考えています。

(2018.5.10)

★今回の教訓:何かをキッカケにブログや日記を始めるのはいいことだ。もう少しコメントがあると励みになるのですが(お待ちしています・[注] 反映されるまでに約12時間かかります)

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