オックスフォード通信(36)痛い経験

オックスフォードにいる間にできるだけ多くの種類のセミナーに参加しようと決めています。

5月1日も朝のイベントの後、教育学部へ行き、午後1時からの応用言語学セミナー(やはり自分の専門分野のセミナーは面白いです。ロンドン大学の先生のプレゼンテーション。同時にオックスフォードのこの分野のピープルに御紹介頂きました)。その後は本家の英文学科(Faculty of English)の図書館へ。そして足早に午後5時からの、Faith School についてのセミナーに。

予想ではパワーポイントを使ったプレゼンテーションだろうと思っていたのですが、しかも5分くらいの遅れはまあいいだろうと思っていました(発表が始まっていないことも結構ありますので)。ところがSeminar Room Dに足を踏み入れた瞬間なんとも言えない緊張感が。すでに始まっている。演者はどうみても退官した70歳をこえた名誉教授(違っていたらすいません)。スクリーンなし。コの字型で互いの顔が見えるタイプ(そうでない、講演会型というパターンもあります)。何か私以外は互いに知っているクローズのグループの雰囲気。

これほど自分が余り知らない分野の話が聞き取りにくいものかと思い知らされた気になりました。イギリスにおける Faith School (教会設立の学校)の歴史とその功罪について話をしておられるのは分かるのですが、語尾がなかなか聞き取りにくい。私以外の8名の(今回も全部で9名でした)多分イギリス人又はヨーロッパ系の皆さんはうなずいておられたので私のリスニング能力の問題だと思うのですが(人によって分かりにくいのは私の英語能力もまだまだ改善の余地があります)、少人数のなかで90分はなかなかのタフな体験でした。これほど長く感じたことも久々の経験です。

終わったときに横の大学院生風の女性がThank you for coming. と言ってくれたのには救われましたが。ただ、いい経験をしたと思います。これほど集中して人の話を聞き、あらゆるListeing Comprehension Strategiesを使ったのも久しぶりのことです。(2018.5.2)

★今回の教訓:タフな経験は人を成長させる。

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